バイナです。
10月上旬、友人の新婚夫婦からのご招待で待ち合わせたのは、三越裏のえびす神社前。
シャモニー・モンブランと甘栗屋のあいだを少し歩くと、夫妻はキッチンライオンの前で立ち止まり、その脇にある事務所風の扉を開けました。
扉はすぐに階段につながっていて、促されるまま2階に上がると、そこが夫妻のお気に入りのお店「普段のお料理 和ら木(やわらぎ)」でした。
6人分のカウンター席と4人掛けのテーブルがひとつだけのこじんまりした店内、そこに漂うシックな雰囲気は、決して急ごしらえのものではなく、時間とともにじっくりと培われてきたもの。
カウンターに腰掛けたスーツ姿の紳士は、音楽のない空間でひとり静かにグラスを傾けていました。
このお店を切り盛りしているのは、クロワッサンに出てきそうな、洗いざらしのシャツが似合うマダム。
明るくて気さくなマダムは、
「ウチの料理は高級品じゃなくて、ふつうにいつでも食べられるような料理よ。」
なんて笑顔で話してくれたけど、ここで言う「ふつう」はオレンジページの「ふつう」じゃなくて、クロワッサンの「ふつう」。
もちろん、味も外さない。
ここは、瓶ビールが似合います。
グラスはグリーンの切子。
デザートにあけび。
初めて食べたんですよ、あけび。
不自由なところが粋なんですよね、あけび。
実はここ「和ら木」、今回私たちをご招待してくれた夫婦も、もとは広島屈指のケーキ屋さんのオーナーシェフM氏夫妻に紹介されたそう。
美味しいものを作る人って、美味しいものや美味しいお店を知ってるんですよね。
そうやって美味しいものを食べて、また美味しいものが生まれていく。
しあわせなサイクルです。
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普段のお料理 和ら木(やわらぎ)
営業時間/18:00-23:00
定休日/日・祝